レイ:なのでシーズンオフの間、少し講釈じみた記事を書いていきたいと思う。
第一回目は、ずばり『資料写真撮影では、どの部分を狙うべきか』。
要するに、このブログのメインテーマである、VRM用の資料写真の撮り方の解説だ。
なお、ここで解説する資料写真撮影術は、あくまで我々独自の撮影の仕方。
アイマジック社の公式のやり方では無いので、その点についてはご了承いただきたい。
(我々もアイマジック公式ブログなどから、色々と影響を受けているのは事実だが)
それでは、早速本題に入ろう。
VRMの製品化には大量の実車の資料写真が必要なのは今更いうまでもないが、必須とされる部位は
・両側側面
・屋上機器
・前面
・細部
・運転台周り
この5つと思われる。
1.両側側面
アイマジック社曰く側面の全体像……ドアや表記・床下機器の場所を把握するのに必要との事。
田舎ならともかく、都会では撮影が難しいので、両側側面の全体が入るのであれば多少、柵などが被ってしまってもOKとの事である。
また、真横ではなく、多少斜めになってしまってもOKだそうだ。
真横からの写真を狙う場合、被写体からある程度距離を取れる場所を予め見つけておく必要がある。
斜めの場合、撮影場所の選択肢は広がるが、都市部の……特に20m級車体の側面写真を狙う場合は超広角レンズはあったほうが良いな。
(我々はお金の節約&レンズ交換が面倒なので、高倍率ズーム1本で立ち位置を工夫しながら撮影しているが)
なお、路面電車の場合は道幅の広い併用軌道であれば、車に被られさえしなければ完全な形の側面写真が容易に撮影できる。
またこの両側側面の写真は、その編成の全車両の写真が必要になってくるので注意。
撮り逃しの車輌が1両でもあったら、基本的にアウトだと思ってよいだろう。
2.屋上機器
アイマジック社自身も「資料写真は屋根が重要」と言っているように、資料写真には必須とされる部位。
地上からの撮影では確認出来ない、屋根の構造を把握するために必要不可欠。
前後左右、どこから撮影してもOKだが、出来れば複数の角度から撮影したい所。
中でも、側面を見下ろした形の「サイドビュー見下ろし」型の写真は、資料価値が高いそうだ。
主な撮影場所は、跨線橋・掘割り区間・ビルの上・歩道橋・山の上・果て遊園地の観覧車など、とにかく一般人が自由に出入り出来、線路を見下ろせる場所ならどこでも。
金網が張ってあろうが、架線が被ろうが、風景が良くなかろうが、屋上機器さえ撮影してしまえば目的は十二分に撮影できる。
この屋上機器の写真も、その編成の全車両の写真が必要と思われる。
なお、ここで問題となってくるのが、すでに廃車され、各地に保存されている車輌。
この都電6152号のように、近くに屋根が見下ろせる場所(観覧車)があればいいが・・・・・・
屋根が取り付けられていたり、無い場合でも周囲にその車輌を見下ろせる場所が無い場合は、当然ながらその車輌の屋上機器を撮影する事は不可能。
そしてその事は、その車輌がVRM上で走り回る姿を拝める可能性は限りなく低い事を意味する。
(ネット上や書籍に、現役当時の屋上機器写真が残っている場合は話は別だが)
なので、VRMで製品化してほしい車輌が廃車されそうな場合は、できるだけ早く屋上機器を撮影しに出向くことをお勧めする。
廃車されてから屋上機器の写真を撮影しようと思っても、もう後の祭りだからな。
3.前面
これは一般的な鉄道写真で良くみかけるので、特に説明するまでも無いだろう。
立派な編成写真が送れればそれにこした事はないが、資料として提出するだけなら駅撮りでも十分なので、コンパクトデジカメでも簡単に撮影可能である。
4.細部
一口に実車の細部と言っても多岐に渡るので、どの部分を狙ったら良いのか、実は我々も完全には把握はしていない。
なので現状では思いつくまま、手当たり次第撮影している訳だが、確実に必要となってくる『細部』写真を思いつくままに上げると……
・台車
・パンタグラフ
・表記類
(特に全体写真では把握できないような細かい文字などは、アップして撮影した方が良い)
・形式番号
・連結器
こんな所であろうか。
また、車輌ごとに狙うべき『細部』は異なってくると思われるので、細部写真狙いで被写体と相対した時は、目に付くものを手当たり次第に撮影するしかない。
なお、細かい表記類や、LRV(超低床路面電車)の台車類の撮影には高倍率ズームレンズが威力を発揮する。
5.運転台周り
VRMユーザーにはいうまでも無いが、内装が作られていない車輌でも運転台だけはあるケースが殆どである。
なので、運転台周りも、資料写真には必須の物であるといえる。
ただし、機関車や一部の特急車輌のように、一般人には運転台の撮影が不可能なケースもあるので、そういうのは車庫公開時などを狙うか、アイマジック社にお任せするより他に無い。
なお、車内の他の部分については、車内まできっちり作って欲しいのでなければ無理して撮影する事も無いと個人的には思う。
VRMで現在製品化している車輌には、中身が空っぽな車輌も相当数あるからな。
もっとも連接車の連接部については、リアルな曲線通過を再現するためにはあった方が良いかも知れない。
レイ:さて、ここまで撮影すれば資料的には十分のように見えるが、最終的にVRMの車輌を作るのはアイマジックの中の人である。
製品化の為にどれだけの写真を撮影すれば良いのかは、正確なところはアイマジックの中の人にしか分からぬだろうし、車輌によっても異なってくるだろう。
そもそも製品化するかどうかを決定するのもアイマジック社側なので、『資料投稿したのに一向に製品化されない』と怒ってはいけない。
現在、ユーザーからの資料投稿で製品化されたのは貨車が1形式があるのみなので、『採用されればラッキー』の心積もりでいれば丁度良いだろう。
また、たとえ製品化が決まったとしても、開発が長期に渡る可能性もあるので(JR九州の車輌など、アイマジック社が資料投稿をよびかけてから1年以上経つが未だに発売されていない)、焦らず、気長に待つのが良いだろう。
また、開発を手助けするために、追加の資料投稿を行ってみるのも良いだろう。
この時の追加資料は、私見ではあるが表記などの細部関係が良いと思われる。
(現在、アイマジック社側もJR九州車の細部を捉えきれていないようだ)
レイ:とりあえず、第一回目の講釈はこんな所であろうか。
それでは、本日はこれにて失礼する。
参考文献
アイマジックブログ 2012年1月14日の記事「資料写真は屋根が重要」
http://moebiuslink.com/blog/?p=1767
アイマジックブログ 2011年2月19日の記事「九州地域の実車写真についてご協力のお願い」
http://moebiuslink.com/blog/?p=1235
アイマジックブログ 2011年1月21日の記事「どのような資料写真が必要ですか?」
http://moebiuslink.com/blog/?p=1166
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