レイ:第四回目となる今回の講釈のメインテーマは、VRM資料写真にとって必要不可欠な部位である、屋上の撮影の仕方について。
はじめに述べるが、これはあくまで我々が個人的に実践している方法。
唯一絶対の方法でも、アイマジック社公式のやり方でもないので、その点はご了承願いたい。
さて、早速本題に入るが……
アイマジック社自身でも言及しており、また当アジトにおいても再三述べているが、屋上の写真はVRM用の資料には必須とされる部位。
次回で述べる側面も重要な部位であるが、いくら両側面を撮影しても屋上の資料写真が無いとVRM製品化は望めない、といっても過言では無いだろう。
(そしてもちろん、その逆もまた然りである)
その屋上の撮影方法であるが…… いくつかの方法がある。
A.前後方向からの撮影
屋上の基本的な撮影方法は大体この形になる。
屋上の撮影は、大抵の場合歩道橋や跨線橋から行うのが常であるが……
歩道橋の場合は落下事故防止のためか、金網や曇りガラスが配置されてる事が多く、撮影できるアングルが限られてくるケースが多い。
跨線橋にしても、次で述べる側面上方や真上から撮影できる箇所というのはそんなに無い。
この前後方向からの撮影のメリットは……
・車輌前面も同時に撮影できるので、わざわざ前面の資料写真を撮影する手間が省ける
・連射で撮影すれば、上の写真のようにパンタグラフ・クーラーのUP写真も同時に撮影出来る
……といった点が上げられる。
なお、このアングルからの屋上撮影を行う場合、極力前後2方向から撮影を行うと良いだろう。
複数の角度から撮影を試みる事は、資料写真撮影の基本だからな。
2013年6月2日 追記
なお、前面からでは車番が分からない車輌、ならびにいつも同じ組み合わせで走っているとは限らない気動車の編成については、側面の車番が分かるように斜め気味に撮影しておいた方がいい。
鉄道車両というのは同じ形式でも細かな外見が違うケースもあり、その際車番が分からないと、資料価値は半減してしまうといっても過言では無い。
車輌によってはかなり難しいものもあるが、こればかりは申し訳ないが臨機応変に対応してくれ……としかいえない。
B.側面斜め上方からの撮影
これはご覧のように、側面の斜め上から屋上を撮影する方法。
アイマジック社自身も『資料的な価値もより高くなります』と述べている通り、屋上と側面・床下機器の写真を一度に押さえられるのが最大の利点。
この特性から、撮影時間が十分に取れない場合にこのアングルからの撮影を行うと特に効果的だ。
何故なら、一度の撮影で屋上・側面両方の資料を一度に収穫できるからな。
(現に公式掲示板のお礼写真や、アイマジックブログに掲載されている作例では、このアングルから屋上撮影している写真は多い)
但し、このアングルからの撮影にはいくつか欠点もある。
まずは、撮影できる場所自体が少ない事。
このアングルで撮影できる場所が全く無いという路線も珍しくないので、その場合は素直に諦めるしかないな。
次に、前後方向からの撮影とは異なり、パンラグラフや屋上のUP写真が撮影できない事。
屋上機器にこだわった撮影をする場合、このアングルからの撮影の他に前後方向からの撮影もすれば、より資料価値の高い写真が撮影できるだろう。
そして、低床車の一部(新潟トランシス系の車輌など)は床下(台車部分)が見えなくなるケースがある。
この場合、これで『側面も撮影できた』とおしまいにせず、地上からの側面写真も撮影しておいた方がいい。
と、欠点はいくつかあるものの、左右両方向でこのアングルからの写真を撮影すれば、お手軽に『同一編成(車輌)の両側面と屋上の資料写真』をゲットできる。
これは、他のアングルには無い強みだ。
このアングルからの撮影が出来る路線であれば、積極的に狙っていったほうがいいだろう。
特に、その路線が長大路線であればなお更の事だ。
C.真上からの撮影
ホテル内狙撃等、高い建物の中から撮影した場合、撮影した場所・高さからにもよるがこのアングルになる事が多い。
屋上機器の正確な配置を知る事ができるのが、このアングルからの撮影の最大のメリットであると思われるが……
撮影可能場所が斜め上方側面よりもさらに希少で、高層ビルの展望台が近くにある場合を除いて、沿線のホテルの部屋を確保して撮影するより他に手が無い。
なので、地元の路線では逆にハードルが高いアングルといえる。
(自分が住んでいる所の近くにあるホテルに泊まるのは、気が引けるからな……)
また、沿線のホテルを首尾よく予約しても、低い階の部屋ではこのアングルの写真は撮影できぬ。
なので、ホテル内から資料写真を撮影する場合は、どうせなら出来るだけ高層階の部屋を予約しておきたい所だ。
とはいえ、このアングルからの撮影は出来るケースの方が少ないと思われるので・・・・・・
基本は前後2方向か斜め上方側面の両方向、もしくは前後左右の上方からの撮影になるだろう。
レイ:そして最後に。
屋上機器が撮影できる場所というのは金網が張り巡らされていたり、どうあがいても障害物が被ったりして、撮影環境が良くない所が結構ある。
建物の中から撮影する時、ガラス越しに撮影する事による画質低下も覚悟せねばならない。
だが、目的はあくまで屋上機器の写真を撮影してアイマジック社に送る事。
綺麗な写真を撮影して、写真コンテストに応募する為では無い。
なので、金網や障害物を恐れずシャッターを切り、それに編集時のトリミングを恐れずに行う……
それこそが、屋上撮影の最大のコツといえよう。
どのようなひどい出来の写真でも屋上さえ綺麗に撮影できてさえいれば、それでこちらの勝利だ。
とはいえ、我々でもここまで目の細かい金網となると、さすがにお手上げだがな。
レイ:と、今回の講座はこれにてお開きとする。
次回は屋上とならんでVRM資料写真には必須となる部位、側面(サイドビュー)の撮影方法について解説する予定だ。
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